2026-09-02 — daily log
7km / 5'09/km
9月2日、ぎっくり腰になり一週間が経過し、久しぶりに走ることができた。
体を反った際の多少の不安感は残るが痛みのほとんどが消えて体を動かせる様になっていた。
発症から二日ほどは歩いても座っても腰に痛みが走り、日常生活に支障をきたしていたことを考えると、ここまで回復したことは本当に嬉しい。
走れる喜びを噛みしめて穏やかな海を眺めながら過ごす時間は心を明るく照らしてくれた。
喜びに浸りつつ、ランニング中に自分の体のバランスを考えていた。今回のぎっくり腰やランニングによる膝の痛みは右半身で起きており、右側への重心が傾いているのではないかと思い。
着地に意識を向けてみると、右着地ではとても安定しているが、左足を地面につけた際に明らかに体がぶれていることに気がついた。
左足を意識し始めると、どのように足を運べばいいかもイメージがあまりできなかった。自分の左足はランニング初心者になっていた。
その時にBeginner's Mindという言葉が頭に思い浮かんだ。
ニューヨークのランニングブランドであるMinor Planetのデザインでこの言葉をよく目にしていたこともあり、興味を持ち2年ほど前に「禅マインド ビギナーズ・マインド」という本を通して深く触れた。
Beginner's Mindは日本語で言えば、初心者の心、初心だ。初めて物事に向き合うような、純粋で、癖がなく、何に対しても開かれている心という様に説明されている。
幼い頃の好きな習い事など考えてみると、始めたての頃は純粋にその物事を楽しめていたし、教えてもらったことをスポンジの様に吸収できていたと思う。
一方で経験が増えることによって、自分自身の知識や経験に固執することで、開かれた可能性がなくなっていく。これは本で熟練者の心として紹介されている。
僕は左足での走りが上手くいかない経験を通して、このBeginner's Mindがどれだけ失われていたか気がついた。
ここ最近の膝の痛みを始めとする体の不調もBeginner's Mindを失っていたことが関係しているのかもしれない。
今回の右膝の痛みは、走る際に上手く動かない左の動きを右足が補っていたことと関係している可能性がある。
しかし、膝の痛みが出始めた際に今までの経験ばかりに頼り対処を試みた。例えば、足のこの部分をほぐしておけば以前は良くなったから今回もそれで良くなるだろうといったように。
左足を正しく使えるようにすることで、フォームのバランスを整えて右足の負担を減らそうということは全く考えてもいなかった。
結果的に、右足をほぐして一時的に症状が良くなっても、また走ると右側ばかり使ってしまい負荷が高まり、炎症はなかなか消えないという状態になった。
今までの経験だけに頼り、新しい対処法への可能性が閉ざされてしまったことで、物事が良い方向に進まなかった。
しかし、この経験を通して現状に気がつけてよかった。ぎっくり腰も自分を初心に戻してくれる経験のように思える。
2、3日もまともに動けない状態から、普通に歩いたり、座ったりできるようになるだけでもとても嬉しかった。
毎日続けてきたヨガも一時期ストップせざるを得なかったが、徐々にポーズを取れるようになってきた。 ぎっくり腰の恐怖があるからこそ、始めたての時に戻ったように丁寧に取り組めるようになり、深まった感覚がある。
ぎっくり腰という経験が僕を初心に戻してくれ、当たり前のように行なっていることのありがたみを教えてくれた。
初心があれば、日常の小さなことに喜びを見出せるし、周りに開かれた注意が自分の身を守ることにつながると思う。
初心でいることは難しい。失敗した時に初心に戻り、またつまずいてというプロセスを通して、自分の中にBeginner's Mindが刻まれていくのかもしれない。
走ることはBeginner's Mindに戻ること。